再补
「私、马鹿だから本気にしちゃうよ」
扫除当番をサボり、执拗な长森の追撃をかわして屋上に逃げた主人公は、
そこで一人の女の子と出会う。全てが赤に染まった世界、そんな见事な夕焼けの中、
吹き抜ける风に髪の毛を押さえながらたたずんでいた女の子、それがみさき先辈だったのだ。
「そっか、今日は夕焼けなんだ」
当たり前のことを口にするみさき先辈。なぜそんなことを确认したのか?
それはみさき先辈の目が见えないからだった。そのことを知ってうろたえる主人公。
しかし、そんな主人公にみさき先辈は少し悲しそうに目を伏せながら、
「普通で…いいと思うよ」
と答えるのだ。そう、目が见えないからといって何も特别扱いする必要なんかない!
変に気を使って逆に人を伤つけることなんてないじゃないか。そんな思いが
主人公の心を缔め付けるのだ。
こうして知り合ったみさき先辈と出会った主人公は、以降、様々なみさき先辈の
素颜に触れていくことになる。见た目はお嬢様(!?)なみさき先辈だけど、
いたずら好きな性格をしているし、线の细そうな外见とは裏腹に、恐るべき食欲を
保持している。……はたしてこんなみさき先辈と主人公の関系はどのように変化していくのか。
本当に元気で、明るくよくしゃべるみさき先辈。ときには绝妙なタイミングで
とぼけた冗谈も飞ばしてくれるが、これにはちょっと理由がある。それは彼女の目だ。
みさき先辈は目が见えないため、谁かのことを知ろうと思ったときは、
话をするしかないのだ。もちろん元々おしゃべりな性格だったということもあるかもしれないが。
そんな元気で明るいみさき先辈だが、学校から出るという话题になると、
途端に悲しそうな表情に変わるのだ。放课後にちょっと商店街に游びに行こうと
诱ったときも、もうすぐ卒业だね、という话をしたときも、同じように少し怯えたような
表情で悲しそうに返事をするのだった。なぜみさき先辈は、そんなに学校から
出るということを恐れているのだろう。
それはみさき先辈の过去に原因があったのだ。みさき先辈が住んでいるのは、
学校のすぐそば。だから、まだ目の见えていた子供のころは、この学校を一番の
游び场としていた。みさき先辈にとって学校は、文字通り目をつむっても
どこに何があるかを知っているような、自分の家と同じような场所なのである。
しかし学校から一歩外に出てしまえば、それは彼女が自由に歩ける空间ではなくなってしまう。
つまり、卒业するということは、みさき先辈にとっては自分の居场所がなくなってしまうことと
同じ意味を持っている。そんなみさき先辈に主人公は……。
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川名みさきという女の子
みさき先辈と言うと、まず思い出されるのは食欲のすごさだ。主人公と食堂で
出会ったときの食べっぷり(カレー9杯)も见事だが、朝食で食パン1斤を
食べて学校に来るというのだから寻常ではない。1斤というのはスライスされていない
丸のままの食パンのかたまりひとつという意味である。これは、どう考えても、
3人家族が朝食でパンの一周间分の量に匹敌すると思われる。
そしてもうひとつが、お嬢様っぽい落ち着いた外见からは想像できない面白い性格を
していることである。扫除をサボって屋上に隠れてみたり、真颜で、しかも绝妙のタイミングで
とぼけたギャグを言い放ったりと、みさき先辈との会话シーンは本当に楽しい気分になれるのだ。
そんな外见とのギャップがみさき先辈の持つ魅力なのだがすべてではない。
光を失っても笑颜は忘れることがなかったという、彼女のもつ心のきれいなところ、
そして强いところが魅力なのである。みさき先辈と接していると本当に彼女と同じ
时间を歩んでいきたくなる。