
――3月5日に『銀魂華祭り2017(仮)』に参加。そこで「プライド革命」(2015年8月5日リリースの3rdシングル)から 1年8ヵ月ぶり、「今日もサクラ舞う暁に」がテレビアニメ『銀魂』第4期第2クールのオープニングテーマに決定&4月26日にシングルリリースされることを発表し、初披露もされたわけですが……SNSでも反響がとても大きいですね。
とてもありがたいことに、たくさんのリプをいただいていたりもしています。去年、『銀魂晴祭り2016(仮)』に出させていただいたときは、「プライド革命」が『銀魂゜』のオープニングテーマとして流れてはいたものの、CHiCO with HoneyWorksとしての活動2年目で。まだまだアウェイな状況だったんですけど、今年は坂田銀時役の杉田智和さん、志村新八役の阪口大助さんが「次はCHiCO with HoneyWorksです」と紹介してくださった時点で、大きな声援が上がって。MCで「「今日もサクラ舞う暁に」がテレビアニメ『銀魂』の第4期第2クールのオープニングテーマに決定しました」っていう報告をしたらすごく喜んでもらえたし、オーディエンスのみなさんが温かく迎えてくれたおかげで、去年よりも緊張せず楽しくステージに立つことができました。
――『銀魂』ファンの方たちが、CHiCO with HoneyWorksも『銀魂』ファミリーの一員だという認識をしてくれているからですね。
そうだと本当にうれしいです!
――「今日もサクラ舞う暁に」は、アッパーなフェスノリもある曲なので、初披露でもきっと盛り上がったはず。
そうなんです。今回の楽曲は、「世界は恋に落ちている」(2014年発売のデビューシングル)を書いてくださったGom(HoneyWorks)さんが作曲をしてくださったんですけど、まさにライブとかでタオルを回せるような楽しい曲調なので、初披露にもかかわらず客席でタオルやペンライトをたくさん振ってくれて。
――なおかつ、叙情感もあって、絶妙なバランスの曲だなということも思います。
「プライド革命」然り、shito(HoneyWorks)さんはキャッチーなフレーズを使ってパっと聴いて耳に残る曲を作るんですけど、Gomさんはスルメ曲というか……何回も聴いているうちにいつの間にか口ずさんでしまうような中毒性の高い曲を書くという(笑)、それぞれの特徴があって。感じていただいた叙情感、多くの人にハマってもらえるんじゃないかなと思います。
――しかも、歌い出しからCHiCOさんの歌の力がすごく強くて。
えっと……ありがとうございます。ホメてもらったときの反応がいまだにわからず、反応が薄くてすみません!(笑)
――とんでもないです(笑)。曲そのものもそうであるように、歌でも色彩豊かなドラマを紡いでいることに感動してしまいます。
HoneyWorksはストーリー性をすごく大事にしているので、レコーディング中も「この曲は応援ソングなんだけど、1番と2番では気持ちを変えて歌ってほしい」ということを言われて。
――Dメロの部分も含め、場面ごとに情景が目に浮かびますから。
shitoさんは自分の中に世界観が鮮明にあるイメージで、「ここはこう歌って」という指示が多くて、その中で私のアイデアを採用してくれることもあるという感じで。一方、Gomさんも自分の中に世界観はあるものの、とりあえず私に思うように歌わせてもらった上で、そこからディレクションをされるんですよ。なので、今回は自分なりに歌った部分も多いんですけど、少しでもそう感じていただけたならよかったです。
――ディレクションする人によって、曲によって、求められるものが違うのでしょうけど、引き出しはどう増やしてきたのでしょうか。
私、最初は引き出しが全然なくて。「世界は恋に落ちている」のときなんかは、今聴くと感情の起伏がまったくない、棒読みのような仮歌を歌っていたんですね(苦笑)。でも、いろいろな方に助言をいただきながら、かすれ声で歌うとか、あざとくてもいいからかわいく歌うとか、そういう引き出しを少しずつ増やしていったという感じです。私とは声質も声の出し方もニュアンスも全然違うHoneyWorksのゲストボーカル・sanaちゃん、HoneyWorksと仲のいいYURiCa/花たんさんの歌を聴いて、表現の参考にさせてもらうこともあります……「今日もサクラ舞う暁に」だったら、EGOIST(supercellのryoがプロデュースするグループ)のボーカル・chellyさんの歌い方や、nagiさんが歌う「ヒーロー」(supercell の2ndアルバム『Today Is A Beautiful Day』に収録)みたいなニュアンスが欲しいというGomさんの要望があったから、参考に練習したりもしました。
――そうだったんですね。ほかにも、感情表現するにあたっていい影響を及ぼしているものがあったりして?
最初のころにボイトレで教わっていた先生に、ポエトリー・リーディングをやったほうがいいと言われました。
――朗読ですか。
そう、歌詞を朗読するっていうことを勧められて。哀しい部分は本当に哀しそうに、うれしい部分はうれしそうに感情を込めて読んで、さらにバラードヴァージョンで歌って、元気に歌ってっていう3つの工程を繰り返すっていう。それが、感情表現を豊かにするにあたってすごくよく効くんですよ。なので、今回も音読をしてみたりしました。<Wow Wow>とか、ひとりでリビングで口にするのはちょっと恥ずかしいなと思いつつ(笑)。
――そうやっていろいろなところからどんどん吸収しているから、表情豊かなんですね。なお、「今日もサクラ舞う暁に」の中でCHiCOさんがもっとも好きなフレーズ、グッとくる部分、共感ポイントを挙げるとするなら?
サビの<僕たちは夢を掴んだ>というところが好きです。最初のころはまだ<夢を見ていた>僕たちが、やっと<夢を見つけ>て、その夢を掴むっていう流れは、やっぱりドラマがあるなと。レコーディングのときも、昂るまま楽しく歌えました。
――CHiCOさん自身の歩みにも重なりそうですしね。
『銀魂』の世界にも寄り添うものでもありつつ、まさに自分にも重なるんですよ。それこそ、オーディション(2013年夏、ソニー・ミュージックエンタテインメントSDグループが主催する「アニソン」と「ボカロ」に特化した全国区歌手オーディション『ウタカツ!』でグランプリに選ばれ、ボカロPクリエイターユニット「HoneyWorks」とコラボすることが決まった)を受けて、今の自分がありますから。夢に向かって頑張っているすべての人にとって、支えになる応援歌になったらいいなとも思います。
――加えて、進級や進学、就職など、多くの人が新しい環境に身を置く春に、<会えなくなったけど離れ離れじゃない>というフレーズはとても心強く思えます。
そうなんですよね。中高生はもちろん、オトナの方たちにも、たくさん届いてほしい曲です。