以下生肉:
122. 確認しました
シュトロームに指定された決戦の日。
遂にその日がやって来た。
災害級の魔物を封じ込める為に作った塀の前には、この決戦に挑む沢山の人達が集まっていた。
この日に備えて各々鍛練してきたであろう各国の騎士や魔法使いたち。
前回、シュトローム派閥の魔人に対し有効打を打てなかった為、独自に鍛練してきたというオーグたち。
しばらく振りの戦場に高揚している感じの爺さん、ばあちゃんとミッシェルさん。
そして、居心地悪そうにしているミランダと……。
「……おい、そこの魔法少女」
「な、何かな!?」
「何?」
「お前らは、またなんでそんな格好してんだよ」
以前、メイちゃんの魔法服が羨ましいというアリスとリンに色違いの魔法服を作ってあげた事があったけど、二人はその魔法服を着てきたのだ。
「こんな時まで、ふざけてんの?」
「ふざけてなんかないよ!」
「これが私達の作戦。二人で勝つ」
「二人でって……ああ、ヘルメットの通信機能か」
そういえば、メイちゃんがいるから連絡が密に取れるようにって、ヘルメットにインカムみたいなの付けたわ。
「そう! リンと二人で連絡を取りながら魔人を討伐するんだよ!」
「これならバッチリ。魔人を倒せる」
まあ……確かに、インカムで通信すればこれ以上ない連携が取れるんだろうけど……。
「いいのかキューティーレッド。その派手な服だと魔人に狙い撃ちされるんじゃないか?」
「レッド言うな! 大丈夫だよ、後ろはリンが見てくれるし、それこそ通信機で教えてくれるよ」
「むふ。完璧な作戦」
そこは想定済みか。
でもなあ、もう一つ問題があるんだよ。
「その服さあ、戦闘服と違ってショートパンツじゃないから、パンツ丸見えだぞ?」
そう、戦闘服は戦闘中に気が散らないようにショートパンツにしたんだけど、メイちゃんは戦闘をするわけじゃないからフリフリのミニスカートにしたんだよな。
アリスとリンは、今やジェットブーツを駆使して飛び回りながら戦闘が出来る。
ということは、フリフリのミニスカートだったら、その中は丸見えということになる。
戦闘中にそんなことを気にしていると魔人にやられかねない。
だから注意したんだけど……。
「ふっふっふ……その点も大丈夫! ちゃんと下にスパッツ履いてきたからね!」
アリスはそう言うと、ミニスカートの裾を掴んで捲りあげた。
確かにスパッツを履いていたんだけど……。
「アリス大胆。こんなに大勢の前でスカートを捲りあげるなんて」
「……え?」
最初に言った通り、ここには各国の兵士さん達が集結している。
自惚れでなく、この決戦の中心になる俺たちには当然注目が集まる訳で……。
「ぎ、ぎ……」
リンの指摘で皆の視線が自分に集まっていることを自覚したアリスは。
「ぎにゃあああ!!」
奇妙な悲鳴をあげてリンの後ろに隠れてしまった。
「はあ……戦う前に何やってんだか……」
自業自得の自爆をかましたアリスのことは放っておいて、もう一つ気になることを確認する。
「それより、なんでミランダもここにいるの?」
俺の言葉にミランダはビクっとした。
「や、やっぱり場違いだよね!?」
「いや、そんなことはないけど……なんで?」
「そ、それは……」
確かにミランダは、各国の騎士たちにバイブレーションソードの使い方を指南できるくらいだし、最近ではミッシェルさんの指導により騎士学院の今年度学年首席になったと聞いている。
けど、ミランダはまだ学生だ。
特殊な事情の俺達とは違い、この決戦に参加する必要はない。
なのに、なぜか俺達アルティメット・マジシャンズと一緒に並んでいる。
疑問に思うのも無理はないよね。
「私が連れてきたのよ」
「マリアが?」
そんな疑問を感じていると、マリアが俺達の会話に入ってきた。
「私の対策よ。シンみたいに魔法を複数起動するなんてできないし、かといって一撃で倒せるほどの攻撃力なんて一ヶ月じゃ無理。だから私が魔法を使って、その隙にミランダに倒してもらおうと思ってね」
なるほど、そういうことか。
マリアも、アリスとリン同様に二人一組で戦うと。
それはいい作戦だとは思うけど……。
「ミランダはいいの?」
「よくないよ……だってこれ、人類の存亡を賭けた戦いなんだよ? プレッシャーが強すぎてここ数日ちゃんと寝れてない……」
「そうだよな……」
各国の騎士たちにバイブレーションソードの使い方を指南するだけでも胃が痛いって言っていたのに、よりにもよって人類存亡を賭けた戦いだ。
しかも、マリアと行動を共にするってことは常に最前線に立つことを意味している
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シュトロームに指定された決戦の日。
遂にその日がやって来た。
災害級の魔物を封じ込める為に作った塀の前には、この決戦に挑む沢山の人達が集まっていた。
この日に備えて各々鍛練してきたであろう各国の騎士や魔法使いたち。
前回、シュトローム派閥の魔人に対し有効打を打てなかった為、独自に鍛練してきたというオーグたち。
しばらく振りの戦場に高揚している感じの爺さん、ばあちゃんとミッシェルさん。
そして、居心地悪そうにしているミランダと……。
「……おい、そこの魔法少女」
「な、何かな!?」
「何?」
「お前らは、またなんでそんな格好してんだよ」
以前、メイちゃんの魔法服が羨ましいというアリスとリンに色違いの魔法服を作ってあげた事があったけど、二人はその魔法服を着てきたのだ。
「こんな時まで、ふざけてんの?」
「ふざけてなんかないよ!」
「これが私達の作戦。二人で勝つ」
「二人でって……ああ、ヘルメットの通信機能か」
そういえば、メイちゃんがいるから連絡が密に取れるようにって、ヘルメットにインカムみたいなの付けたわ。
「そう! リンと二人で連絡を取りながら魔人を討伐するんだよ!」
「これならバッチリ。魔人を倒せる」
まあ……確かに、インカムで通信すればこれ以上ない連携が取れるんだろうけど……。
「いいのかキューティーレッド。その派手な服だと魔人に狙い撃ちされるんじゃないか?」
「レッド言うな! 大丈夫だよ、後ろはリンが見てくれるし、それこそ通信機で教えてくれるよ」
「むふ。完璧な作戦」
そこは想定済みか。
でもなあ、もう一つ問題があるんだよ。
「その服さあ、戦闘服と違ってショートパンツじゃないから、パンツ丸見えだぞ?」
そう、戦闘服は戦闘中に気が散らないようにショートパンツにしたんだけど、メイちゃんは戦闘をするわけじゃないからフリフリのミニスカートにしたんだよな。
アリスとリンは、今やジェットブーツを駆使して飛び回りながら戦闘が出来る。
ということは、フリフリのミニスカートだったら、その中は丸見えということになる。
戦闘中にそんなことを気にしていると魔人にやられかねない。
だから注意したんだけど……。
「ふっふっふ……その点も大丈夫! ちゃんと下にスパッツ履いてきたからね!」
アリスはそう言うと、ミニスカートの裾を掴んで捲りあげた。
確かにスパッツを履いていたんだけど……。
「アリス大胆。こんなに大勢の前でスカートを捲りあげるなんて」
「……え?」
最初に言った通り、ここには各国の兵士さん達が集結している。
自惚れでなく、この決戦の中心になる俺たちには当然注目が集まる訳で……。
「ぎ、ぎ……」
リンの指摘で皆の視線が自分に集まっていることを自覚したアリスは。
「ぎにゃあああ!!」
奇妙な悲鳴をあげてリンの後ろに隠れてしまった。
「はあ……戦う前に何やってんだか……」
自業自得の自爆をかましたアリスのことは放っておいて、もう一つ気になることを確認する。
「それより、なんでミランダもここにいるの?」
俺の言葉にミランダはビクっとした。
「や、やっぱり場違いだよね!?」
「いや、そんなことはないけど……なんで?」
「そ、それは……」
確かにミランダは、各国の騎士たちにバイブレーションソードの使い方を指南できるくらいだし、最近ではミッシェルさんの指導により騎士学院の今年度学年首席になったと聞いている。
けど、ミランダはまだ学生だ。
特殊な事情の俺達とは違い、この決戦に参加する必要はない。
なのに、なぜか俺達アルティメット・マジシャンズと一緒に並んでいる。
疑問に思うのも無理はないよね。
「私が連れてきたのよ」
「マリアが?」
そんな疑問を感じていると、マリアが俺達の会話に入ってきた。
「私の対策よ。シンみたいに魔法を複数起動するなんてできないし、かといって一撃で倒せるほどの攻撃力なんて一ヶ月じゃ無理。だから私が魔法を使って、その隙にミランダに倒してもらおうと思ってね」
なるほど、そういうことか。
マリアも、アリスとリン同様に二人一組で戦うと。
それはいい作戦だとは思うけど……。
「ミランダはいいの?」
「よくないよ……だってこれ、人類の存亡を賭けた戦いなんだよ? プレッシャーが強すぎてここ数日ちゃんと寝れてない……」
「そうだよな……」
各国の騎士たちにバイブレーションソードの使い方を指南するだけでも胃が痛いって言っていたのに、よりにもよって人類存亡を賭けた戦いだ。
しかも、マリアと行動を共にするってことは常に最前線に立つことを意味している