我はゴーレムなり。
ないわーポーチに小さなポケットが付いて以降、特に何事もなく日々を過ごしている。
ジスポやイパアードがないわーポーチに増えたポケットは異世界につながっているのでは、というようなことを言っていた。
確かに、我が手を入れても、ポケットの底には手が届かないし、普通のポケットではない気はする。
中を見ても、真っ暗でわからない。試しに小石を入れても、ポケットの中から消えてしまうので不思議には思っている。ただ確かめようがない。異世界につながっているかを試すために、ジスポを入れることもさすがにできない。
・・・・・・。
うむ、保留だな。特に害もないのでほっておこう。
ちょっとしたゴミを入れることができる便利ポケットということにしておこう。
◇◆◇◆◇
我が物理的にゴロゴロしながら過ごしていると、久しぶりにキイチの前までやってきた。
我は片手を上げてキイチに『久しぶり』と挨拶をする。
キイチはなんとも言えない表情で我を見る。
「管理者さん、暇そうですね」
!!?
な、なんだと!?
我はゴロゴロ転がっていたのを止めて、パッと起き上がる。
我は別に暇だから、ゴロゴロしていたのではない。
ゴロゴロしたいから、ゴロゴロしていたのだ。
我は必死にキイチの勘違いを正そうと思いを伝える。
キイチは我の思いをじっくりと見た後、静かに目を閉じた。
我の思いは伝わっただろうか?
キイチはゆっくりと目を開ける。
我はゴクリとつばを飲みこむ。ゴーレムだから、つばは出ないけど。
「ハク女王は、国政などに意欲的に取り組んでいます」
我はうむと頷く。
「ラーズさんは、育毛剤の開発をがんばっています」
我は再びうむと頷く。
目指せ発毛剤と我も応援している。
「ジスポさんとイパアードさんも森の管理やコンビネーションなどの特訓をしています」
我はうむと三度頷く。
たしかにジスポとイパアードは森の番人ハムライダーと呼べるくらいになっている。
「そんな中、管理者さんは、ゴロゴロしているだけでいいのですか?」
我は身体中に電撃が走ったような衝撃を受けた。
た、たしかに、キイチの言うとおりだ。
ハクも、ズーラも、あっ、ラーズだ。ラーズも、ジスポもイパアードも皆、何かに一生懸命に取り組んでいる。だが、我は、我は、ゴロゴロしているだけではないか!?
ゴーレムキングダムの中をうろうろしているが、確かにこれといって何かをしていない。
ないわーポーチをおかしな方向に進化させたくらいだ。
キイチの言うとおり、このままではゴロゴロしているだけのメタルゴーレムになってしまう。
このままではダメだ。
反省する我にさらにキイチは問いかけてくる。
「管理者さんはやりたいことはないのですか?」
我がやりたいこと?
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
あれ、特にない?
いやいやいや、あるよ!
我にもやりたいことはある!
そうさ、我はないわーポーチを外したい!
それだけじゃない! 我はゴーレムアイを使いこなしたい!
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
我は今以上にゴーレムアイで全てを見通す!
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
ゴーレムアイで、敵の攻撃を見切り、さっと躱す我。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
ゴーレムアイで、敵の策略や罠を看破し、敵にドヤ顔をする我。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
その為には、ゴーレムアイを使いこなすのは必須だ。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
・・・・・・まぁ、そのために、まずはゴーレムアイを開眼せねばならない。
おし、開眼するためには、修行するしかない。
修行といったら、仙人に学ぶのが一番だ。
仙人といったら、中国っぽいところにいる。
中国っぽいところといったら、笹がある。
笹といったら、パンダの主食だ。
つまり、我が今すべきはパンダを探すことだ。
パンダ探しが、我のゴーレムアイに繋がる。
おし、そうと決まったらパンダを探そう。
我はキイチに、『我はやるよ』という意思を込めてしっかりと頷き、片手をあげてその場を後にした。
我はゴロゴロするだけのメタルゴーレムではないのだからね!
◇◆◇◆◇
我はパンダを探すために旅立とうと思う。
ハク、ジスポ、イパアード、ラーズも皆やることがあるみたいだ。
我がパンダを探すのは、ゴーレムアイの為。
自身の修行のために他のモノを巻き込んではダメだ。
我はないわーポーチからノートを取り出し、皆にむけてのメッセージを書き、国民からの投書を受けるためのポストに入れた。
ふっふっふ、次に会う時は、我がゴーレムアイを使いこなしている時だぜ。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
・・・・・・。
さぁ、パンダを探しに出発だ!
ないわーポーチに小さなポケットが付いて以降、特に何事もなく日々を過ごしている。
ジスポやイパアードがないわーポーチに増えたポケットは異世界につながっているのでは、というようなことを言っていた。
確かに、我が手を入れても、ポケットの底には手が届かないし、普通のポケットではない気はする。
中を見ても、真っ暗でわからない。試しに小石を入れても、ポケットの中から消えてしまうので不思議には思っている。ただ確かめようがない。異世界につながっているかを試すために、ジスポを入れることもさすがにできない。
・・・・・・。
うむ、保留だな。特に害もないのでほっておこう。
ちょっとしたゴミを入れることができる便利ポケットということにしておこう。
◇◆◇◆◇
我が物理的にゴロゴロしながら過ごしていると、久しぶりにキイチの前までやってきた。
我は片手を上げてキイチに『久しぶり』と挨拶をする。
キイチはなんとも言えない表情で我を見る。
「管理者さん、暇そうですね」
!!?
な、なんだと!?
我はゴロゴロ転がっていたのを止めて、パッと起き上がる。
我は別に暇だから、ゴロゴロしていたのではない。
ゴロゴロしたいから、ゴロゴロしていたのだ。
我は必死にキイチの勘違いを正そうと思いを伝える。
キイチは我の思いをじっくりと見た後、静かに目を閉じた。
我の思いは伝わっただろうか?
キイチはゆっくりと目を開ける。
我はゴクリとつばを飲みこむ。ゴーレムだから、つばは出ないけど。
「ハク女王は、国政などに意欲的に取り組んでいます」
我はうむと頷く。
「ラーズさんは、育毛剤の開発をがんばっています」
我は再びうむと頷く。
目指せ発毛剤と我も応援している。
「ジスポさんとイパアードさんも森の管理やコンビネーションなどの特訓をしています」
我はうむと三度頷く。
たしかにジスポとイパアードは森の番人ハムライダーと呼べるくらいになっている。
「そんな中、管理者さんは、ゴロゴロしているだけでいいのですか?」
我は身体中に電撃が走ったような衝撃を受けた。
た、たしかに、キイチの言うとおりだ。
ハクも、ズーラも、あっ、ラーズだ。ラーズも、ジスポもイパアードも皆、何かに一生懸命に取り組んでいる。だが、我は、我は、ゴロゴロしているだけではないか!?
ゴーレムキングダムの中をうろうろしているが、確かにこれといって何かをしていない。
ないわーポーチをおかしな方向に進化させたくらいだ。
キイチの言うとおり、このままではゴロゴロしているだけのメタルゴーレムになってしまう。
このままではダメだ。
反省する我にさらにキイチは問いかけてくる。
「管理者さんはやりたいことはないのですか?」
我がやりたいこと?
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
あれ、特にない?
いやいやいや、あるよ!
我にもやりたいことはある!
そうさ、我はないわーポーチを外したい!
それだけじゃない! 我はゴーレムアイを使いこなしたい!
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
我は今以上にゴーレムアイで全てを見通す!
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
ゴーレムアイで、敵の攻撃を見切り、さっと躱す我。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
ゴーレムアイで、敵の策略や罠を看破し、敵にドヤ顔をする我。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
その為には、ゴーレムアイを使いこなすのは必須だ。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
・・・・・・まぁ、そのために、まずはゴーレムアイを開眼せねばならない。
おし、開眼するためには、修行するしかない。
修行といったら、仙人に学ぶのが一番だ。
仙人といったら、中国っぽいところにいる。
中国っぽいところといったら、笹がある。
笹といったら、パンダの主食だ。
つまり、我が今すべきはパンダを探すことだ。
パンダ探しが、我のゴーレムアイに繋がる。
おし、そうと決まったらパンダを探そう。
我はキイチに、『我はやるよ』という意思を込めてしっかりと頷き、片手をあげてその場を後にした。
我はゴロゴロするだけのメタルゴーレムではないのだからね!
◇◆◇◆◇
我はパンダを探すために旅立とうと思う。
ハク、ジスポ、イパアード、ラーズも皆やることがあるみたいだ。
我がパンダを探すのは、ゴーレムアイの為。
自身の修行のために他のモノを巻き込んではダメだ。
我はないわーポーチからノートを取り出し、皆にむけてのメッセージを書き、国民からの投書を受けるためのポストに入れた。
ふっふっふ、次に会う時は、我がゴーレムアイを使いこなしている時だぜ。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
・・・・・・。
さぁ、パンダを探しに出発だ!