あの戦いで《無垢なる闇》は完全に滅んだ。
滅ぼしてしまった。もう、この全宇宙、全次元樹、全世界で、《無垢なる闇》の脅威に怯おびえる人間はいない。
あまりにもスケールが壮大な話だが、彼女の主様マスターは結局、本当の意味で〝正義の魔法使い〟になってしまったのだ。
「だけど……《無垢なる闇》とは、闇と混こん沌とんそのもの。光がある所には、必ず闇が存在するもの。いつか、遠い未来の世界……また、似たような存在が、この分ぶん枝し宇宙のどこかで生まれ落ちる……かもしれない」
それは、同じ外宇宙の邪神だからこそ感じる不安。
でも──
「……大丈夫ね。きっと大丈夫。だって、人間は……私達よりずっと強いのだから」
そんなことを、システィーナ達の背中を見つめながら呟いて。
ふっと笑って、後に続くのであった。
似了吗,如似