リ・エスティーゼ王国の第三王女、ラナー・
ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ。
エ・ランテルを襲った「罅の災厄」によって、その命を
落とした悲劇の姫君である。ラン ポッサⅢ世が崩御した
今、本来であれば兄・ザナックの右腕として王国の為、
人類の為にどれほど活躍していた事だろうかと、その
早すぎる死を悼む者は決して少なくない……。
――と言う筋書きの下、クライムと添い遂げると言う
夢をナザリックにて叶えた、幸福絶頂の小悪魔である。
卓越した頭脳を持つ彼女はここナザリックに於いても
貴重な人的資源であり、「混沌環境」下での
頭脳的な労働を期待されている。
その空間では通常の場合、生物は意識を失い、
非生物も機能を止める。だが、ナザリックにおいて
新たに開 発された適応装備を装着することで、
本来なら混沌獣や汚染獣等、一部の
例外的な存在のみが満足に活動できるはずの
同空間での行動が可能となった。
装着部位は自由に選べるが、やや重量が嵩み、
属性耐性を得るといった防具としての性能も乏しい。
このた め装備バランスの再検討の必要が生じ、
一定時間で適応効果を失う消耗品である等の
デメリットもある一方、混沌環境下において一部の
能力値を普段より上昇させる効果も確認されている。
なおこの装備の装着中は、装具や体表などを含む
全身に混沌石の輝きに 似た光が走る事があるようだが、
これによる身体への害は確認されていない。
ただし全ては準備であり、ラナーが「混沌環境」に
実地配備された事は未だ一度もない。
「クライム、もし罅をくぐるように言われたら、私は
魔導国の為に躊躇いなくこの一歩を踏み 出します」
健気にもそう言う彼女を、クライムは抱き寄せる。
その胸の中で作られる笑顔の悍ましさを――
彼は永遠に知ることはないだろう

ナザリック地下大墳墓の全NPCの頂点、
守護者統括アルベド。
階層守護者たちを指揮し、内政面において
モモンガに全幅の信頼を置かれている才女である。
以前「クリスマスパーティー」のための正装を
パンドラズ・アクターの手を借りつつ用意した際、
外装デザインには複数の候補があったのだが、
今回纏っているのはその中にあった一着である。
こちらも大胆な意匠であるが、前回の正装と比べて
肉感的な方面の――具体的には肢体を極限まで
アピールする形で発揮されている。
当時アルベドとしてはこちらを推していたものの、
「冬の訪れを祝う」正装にいくら何でも
その露出度はどうかという
パンドラズ・アクターの冷静な意見を受け、
寝室に招かれた時用の予備に留めたとか。
得物になっている袋は「クリスマスの夜に、
良い子に贈り物を届ける」不可思議な存在の話に
由来していると言う事で、それになぞらえて
次回の「クリスマスパーティー」ではこの正装で
ナザリックの面々と、ひいてはモモンガに
贈り物を届けるのも悪くない……と
アルベド自身も 考えているようである。
ちなみにある経緯でモモンガが（運悪く）
この衣装を纏う彼女を目撃した事があるのだが、
その時にも感情が即座に抑制されるほどの
衝撃であったと言う。
その理由は衣装の大胆さというよりかは
自身がユグドラシル時代に見覚えの あった
「クリスマス仕様のビキニアーマー」であるのに
気付いた点にあったのだが、
それは誰にも知られず、語られる事すらもない
事情になるのは間違いないであろう……。

魔法少女？

总管赛高